映画『億男』レビューです

映画

こんにちは。このたび映画『億男』を見たので、感想など書いていきます。
ネタバレはあまり自重せずに行きます。私は普段、映画館でもDVDとかでも映画を観ることなんて全然ないんですが、今回はたまたま無料チケットをもらいましたので、お金に関するテーマの映画だから押さえておきたいと思って、観ることにしました。

映画『億男』公式サイト
大ベストセラー小説を「るろうに剣心」の大友啓史監督が映画化!佐藤健、高橋一生を始め超豪華キャスト陣がお金とは?幸せとは?の答えを求めて“地獄めぐり”!

この『億男』の原作は、私は読んでいませんが、映画プロデューサーとしても知られる川村元気氏の長編小説ですね。それを今回、『るろうに剣心』の映画など手掛けた大友啓史監督が映画化したものです。

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あらすじ

Wikipediaの解説に毛が生えた程度ですが、『億男』のあらすじを書いていきます。

主人公の大倉一男は、弟の肩代わりをした3千万円の借金が原因の一つとなって(原因の全てでもないし本質でもないのが作品のポイント)妻子と別居中。
その借金を返済するためにダブルワーク(今はやりの複業とか副業とは言わないんだろうなあ)をする生活でしたが、宝くじで3億円を当ててしまいます。

そして作品の冒頭、親友の九十九にノセられて、よく意味の分からない豪遊をして、酔って寝てる間に九十九に抜き身の現金で預けてた3億円を持ち去られてしまう。
九十九は事業で成功していたが、現在ではその会社を売却してしまっている。一男はその事業の関係者に出会っていって、お金の意味について真剣に考えるようになる。

といったところです。

レビュー

では映画の感想等を書いていきます。先述しましたが、ネタバレはあまり自重しないので、嫌ならば戻られた方が良いでしょう。
普通に面白かったとは思いますが、突っ込みどころ満載だったのが確かなので、それはそれで書き並べていきます。

金を先に返せと


私が一番読んでいるお金系の漫画は『ミナミの帝王』ですが、この漫画で割りとよくあるパターンが

1億円ゲットしたでー。でも急に羽振りが良くなると疑われるから、自重しとこう。
→何らかの理由で1億円が泡と消える
→し、しもうたああああああああ!萬田はんに借りとった100万円の返済、忘れとったあああああああああ!

ってなものです。
鬼の萬田さんから借りてる、余裕で返済できる程度の借金を、忘れてたとかいうありえない展開。

で、この『億男』でも同じような展開になります。
3千万の借金があって3億円を手に入れたのなら筋道として、カネの使い道がとか考えるのは全部後で、まずは何も考えずに借金の完済からでしょう。
しかし主人公の一男は、どうやって3億円を使っていくかとかいうことばかり考えています。

九十九とも11年以上ぶりの再会だったのですが、それも、3億円というカネの使い方について相談するため自分から連絡したものでした。それは借金を返してからにしろと。
そんで九十九に、カネの重さを現物で実感するために全部現金でおろして来いとか言われて本当におろしてきて、いくら親友とはいえ九十九にそれを預けてしまいます。そして寝てる間に持ち去られてしまいます。

まあこの辺からして、かなり主人公が迂闊でありえないレベルというか。
どんな親友相手だろうと、3億円の現金を全て預けるなんて、しかも先に借金を返しもせずにというのが、どうにも。まあそういう人が現実にいないこともないでしょうが。
ミナミの帝王の登場人物にも、かなり突っ込みどころ満載のキャラは出てきますが、それを超えてる感じです。

そして、3億円を九十九に持ち去られたというのに、主人公は「あれは確かに手に入れたんだ。もうすぐ戻ってくるんだ。」と繰り返し述べ、それを材料に妻に復縁を迫ります。
九十九を親友だと信じてのことなのも分かりますが、どうしてこいつはこうなのか。

借金も実際に返してから行動に出りゃいいのに、3億円も実際に取り戻してから妻に話を切り出せばいいのに、何もかも順番がおかしいんですよね。
3億円はそう遠くないうちに戻ってくると楽観的な確信を持っていて、この辺はもう少し危機感をもたせてほしかったですね。


そして主人公の妻も、借金が3千万円もある身でありながら、娘に習わせているバレエをやめさせないと言います。いやまあ、カネに縛られたくない、何もかもカネばかり第一になってはいけないと立派なことを述べているんですが、さすがに現実を見なさすぎというか。

ミナミの帝王なら、「アホンダレ!借金のあるモンが娘にバレエなんか習わせとってどないすんじゃない。ロリコンビデオに出させて金を稼がせる事でも考えんかい~!」とでも言うところでしょう。

確かに人間、カネのことばかりになってはいけません。ある程度の金持ちがカネに縛られないようにと言うのは立派なことで、実際にこの映画でも金持ちになったは良いが大事なものを見失ってる人間が何人も出てきます。

でも借金となれば別で、その返済は人としての義務とかの話。この主人公がしてる借金は、事業拡大のためとかじゃなくて、本当にただ負ってるだけの借金ですしね。

ミナミの帝王でも、「カネに綺麗も汚いもない。銀行強盗しようがなんだろうが同じカネであり、どんな手を使っても借りたカネを返すことが重要」と言われています。この漫画の萬田銀次郎が、債務者の腎臓を切り取ってでもカネの取り立てをするように、カネを返すというのは命に勝るほど重いこと。

そして『カイジ』の利根川の名言「金は命より重い」や、兵藤会長が期限内にカネを返さない債務者には焼き土下座をさせることなどは周知の通りです。


お金・現金を増やし返すことばかりに囚われては駄目で、信用とか人間的本質を伸ばしていくことをまず考えなければならないのは確かですがね。
その辺りは堀江貴文さんの著作『バカは最強の法則』などを読まれると良いでしょう。

おカネの本質

この映画で強調して語られるのが、カネの本質とは何かということで、お金(お札)なんてのは紙切れに過ぎないとかそういう話が出てきます。
まあそれ言ってる人間が、実はカネを客に放出させといてせっせと集め、自分のものにしてるんですけどね。自分は夢や安心を売ってその代金をもらっているのだという理屈で。

お金(お札)というのはもともとただの紙切れでありそれ自体に本来は価値などない。
皆がそれに価値があると共通理解ができてるから、信用を数値化しただけのものだ。

というようなことが世間でもよく言われていますが、まあ私からすると、「それが分かったから何だというのか。それを改めて言葉で言われたところで、結局別に何も変わらない。」という感じですね。
わざわざ改めて大上段に構えて述べるほどのことでもないというか。

この映画でも、「カネは紙切れにしか過ぎないのに、そんなものを信じて多くの人が振り回されてる」と何度も述べられていますが、それを言うなら契約書とかだって同じなわけですね。
識字能力がないとか面倒だとかのために、契約書の内容を全く読まずにサインしてしまい、人生を狂わせたなんて人の話もあります。

また主人公は、離婚届を書くよう妻から迫られるのですが、それだって書類1つで人生を左右することを決めるわけです。
ですから何も、お金やお札に限った話ではなく、人間社会というのはそういうものだというだけのことです。
それを掘り下げたところで、自分のすべきことは変わらない。

またこの映画では、冒頭で現金を3億円で引き出せと言った九十九や主人公の他にも、大量の現金を抜き身で扱うキャラが出てきます。なんかこういったキャッシュレス社会に逆行するような、生の現金の重さ(物理)を味わえばその重み(価値)が分かるといったような考え方が、ちょっと妙だなという違和感を覚えました。
金の重さ(物理)なんてものは、あくまで日本に出回っている紙幣の最大単位が1万円札までという前提のものであり、これが10万円札とか発行されたり完全なキャッシュレスになったりすれば、何の意味もないもの。

お札というゲンナマの山を見てお金を実感しようというのが、ちょっと時代にそぐわなくなっているように感じました。金は紙切れと言いながら、これはどうしたものかと。
ちなみに私なんかも、可能な限りキャッシュレスで生活していますし、現金が必要な時も一度に1万円以上は下ろさないんで、あまりゲンナマというものに重きを置いていないんですよね。

人として大切なもの


とまあここまで、突っ込みぽいことばかり書いてきましたが、この作品は人間的ドラマとしてとても面白かったと思っています。
九十九のことを妄信してるような主人公のことも、最初は冷めた目で見ていましたが、それが学生時代からの九十九との深い友情に基づくものだということを掘り下げられるにつれ、共感できるようになっていきました。それでも抜き身の現金を預けるなとは思いますがね。

主人公の妻も、ちょっと現実を直視しきれていないながらも、金に左右されない人間の本質を見定めていて、魅力的に描写されていたと思います。

またこの映画では、お金の価値などと言うものは状況次第で、またその人次第で変わる相対的なものでしかないという話も出てきます。
ただの水道水でも、砂漠で乾いた人になら何万円もの金額で売れることもあり得るでしょう。
ですから人間として1番大事なのは、日本円で何円などといった表面的な数字に関わるものでなく、自分の中に絶対的な価値をどれだけ持てるかということなのだとも思います。

学歴や経歴、お金といった、一般に成功の指標と見られるようなものを表面的にどれだけ身につけたとしても、それはただ自分の身を縛り付ける贅肉にしか成り得ないことが十分にありえる。
だからそのようなものは敢えて手放してでも、自分が本当に求めるものを見失わないようにしたいと思いました。

なんか妙に堅苦しい上にまとまらない感想になりましたが、補足があったらまた改めて書きたいと思います。

1 件のコメント

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    福岡市博多区の会社で経理の仕事をやっています。Excelが好きでVBAとかまで大体の機能は使えて、それで業務効率化に努めています。 株式投資など、お金の運用について、遅ればせながら35歳半ばからハマっています。